DETAIL
背景
造船所様の建造工数を減らしたい、乗組員の負担を軽減したい。
国際海事機構(IMO)は、多発するバラ積み貨物船※1海難事故の安全強化策のひとつとして、全貨物倉と船首隔壁より前方の区画に、海水が侵入したことを知らせるために浸水警報装置の設置を義務化する「SOLAS※2 第12章」を採択しました。
しかし、浸水警報装置の設置には、大型バラ積み貨物船と呼ばれるケープサイズ(15万dwt)の場合、20箇所を超える浸水警報装置の設置が必要となり、調整やメンテナンスに大きな負担を伴いました。
浸水警報装置はいくつかの原理の測定方法があります。当社主流の方式は、水圧で水の侵入を感知する方式の液面計測装置をベースとしていたため、機器装置が大きく、コストもかかっていました。一方、電気的特性の変化で水の浸入を感知する他社の方式は、水の種類(海水・汽水・河川水など)によって、乗組員がシステムを再調整する必要がありました。
このように、各社の方式は、機器の小型化や調整・メンテナンスの簡便化など、それぞれに課題を抱えていました。
※1梱包されていない穀物・鉱石・セメントなどを船倉に入れて輸送するために設計された貨物船
※2海上における人命の安全のための国際条約